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ホスピスで親を看取る

fc2ブログ「浅間山麓徒然日記2」からの抜粋版。77歳の父の胃ガン悪化からホスピス入院で逝くまでの看護日記です。

ホスピスで親を看取る その16

父にホスピスに入ってもらったのは、ガン治療での治癒の望みが無い以上、治療で疲弊するより疼痛(痛みを抑える)コントロールを専門としたところが良いであろう、静かな環境(個室)でのんびり昔のことを振り返って笑うも泣くも好きに出来るだろう、と思ったからです。

なので、入院したら程なく昔の若かった頃の白黒写真を持ち込み、機械音痴の父にもわかるよう、九州の兄弟の電話番号を電話帳に登録した携帯電話を持っていき、好きな時に好きなだけかけれるよと手渡しました。

毎日べったりいた訳じゃないから分かりませんが、端で見ていた限りではそれらはあまり役に立たなかったようでした。

やはり一番の理由は体調で、入院2ヶ月のうち前半は圧迫骨折の痛みで、電熱凝固法で神経ブロックが出来た後も、骨折の痛みに隠れていたガンの痛みで、いつも体調が緩いか急かは別にしても右肩下がりで落ちていき、普段の過ごし方とは違う感情を動かされたり気を使うようなことができる元気がなかったように思います。(頭の中では哲学してたかもしれませんね)

死ぬ前の1週間くらいはホントにどよよんとペットに身を横たえて意識レベルも低下しましたが、それまでは普通の会話が出来ました。
父は、例えば旅行でも時刻表を細かく書き出して、出発の30分前には乗り場に着いているような前もっていろいろ決めておく性格の人でしたので、それをいいことにしてこれから判断に迷いそうな事をズケズケ聞いていきました。それこそ個室だから出来る事です。

とりあえずは差し迫った19年の確定申告、次は相続、葬式の進め方、葬式を誰に伝えるか。

特に葬式に呼ぶ人間の連絡先までそらんじているわけではないし、暮れの喪中欠礼の時に連絡をくれた人がどんな関係だか???もなんなので、思いきって直近の年賀状の束を持って病室に行きました。

じいちゃん、この人は?

会社の同僚。知らせてくれ。

この人は?

ああ、これはいい。パス。

ん、この人は聞いたことあるね。

ああ、こいつは大学の同級生だ。死んだHと一緒の仲間だよ。Hは知っているだろ?こいつには電話してくれ。

とまぁ、結局年賀状の束の中から交遊関係で5人の方が「電話してくれ」のご指名となり、老人会の80過ぎのおひとりが代理の方を立てた他は全員が来て下さいました。

父はこうして自分ではできない死んだ後の事を私に伝えて、自分のイメージ通りの葬式をすることが出来たのです。

明日に続く。

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  1. 2008/11/24(月) 07:05:36|
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